女性参政権運動を中心に女性の権利・地位向上、男女同権を目指した第一波フェミニズムに対して、文化・社会に深く根を張る意識や習慣による性差別と闘い、主に性別役割分業の廃絶、性と生殖における自己決定権などを主張したのが第二派フェミニズムである。
一方、1960年代には権威主義的な既成秩序に抗議し、大学改革を求める学生運動(大学紛争)が起こり、この結果、大学教育において教育課程や教育方法が改善され、新たな学問・研究講座が開講されることになった。こうした背景のもと、女性たちは、従来の学問・研究が男性の経験、問題・関心に基づいて構築されたものであること、すなわち、女性の経験等を度外視した男性中心主義的なものであることに気付き、既存の学問領域において女性の経験等に基づく研究を行い、同時にまた、これまで周辺に追いやられ、忘れ去られた女性の歴史、芸術、文学などを発掘・回復する必要があると考えた。したがって、この点では、男性が作り上げてきた伝統的な学問分野において「女性」というテーマを取り上げて研究するだけでは不十分であり ―― この場合、「男性中心の考え方が脅かされることはない」――、男性中心の物の見方そのものを覆し、すべてを女性中心の視点で捉え直し、新たな学問体系する必要があった。
一方、ボーヴォワールは1949年出版の『第二の性』において生物学、文学、精神分析学、人類学、哲学等の研究に基づき、女性の抑圧、他者性を体系的に論じた。これを受け継ぎ、または批判的に読み解き、性差別の構造のさらなる解明を目指すこともまた重要な課題となった。
加えて、1960年代後半から1970年代前半にかけての女性解放運動を白人中産階級の異性愛・既婚女性のみを対象とする運動であると批判した他の人種、階級、性的指向、その他の文化的・社会的立場の女性たちを中心に、対象の拡大や方法論の再検討、これらの要素を取り込んだ理論化が行われている。
女性、女性性、ジェンダー、性差別、その他のマイノリティの問題等を体系的に考察することは、現代社会の分析と理解に不可欠であり、したがって、研究のみならず教育の場でもある大学の教育に女性学を取り入れること(研究者・教員による講座開講から学部・大学院の設置)は、諸制度および社会全体の改革を準備するものであり、政治・社会・文化活動と連携し得るものである。
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